AI・IoTの取組み

動作データ収集から
自ら故障予知まで

双方向の通信機能
を備えたAR2000

バルブの役割は、気体や液体の流れ(圧力や流量)を迅速かつ確実に閉止させたり精密にコントロールすることにあります。また、バルブのトラブルはモノづくりの流れをストップさせかねないため、故障の発生を検知したり、事前に予知する機能も必要です。

技術の進化とともに高速・大容量のインターネット環境が急速に普及し、パソコンやスマートフォンだけでなく、身のまわりのあらゆるモノがインターネットとつながるIoT(モノのインターネット)の時代が始まろうとしています。

フジキンの電子バルブも、インターネットと歩調を合わせるように進化を遂げ、さまざまなセンサーによる計測機能を備えた「スマートバルブ」が、IoTへの本格的な対応を可能にしました。そうした最先端製品の一つが電子バルブ「AR2000-LEAF(仮称)」です。

双方向の通信機能を備えたAR2000

AR2000はステッピングモーターを採用し、従来の電動モーターバルブでは難しかった高速応答や精密制御、高分解能(2000:1)など高度な動作性能を実現。コンピューターなど上位システムからの指示をすばやく実行するとともに、各種センサーを駆使して圧力や流量が規定通りに維持されているか、外部への漏れがないか、故障を起こす可能性はないかなどをチェックし、ただちに上位システムへフィードバックします。

バルブとセンサーの融合で時々刻々と変化する状況に合わせて動作を制御し、万一のトラブルも未然に防ぐフジキンの技術。その取組みは、IoT時代を切り拓く先進的な部品メーカーとして、JETRO(独立行政法人 日本貿易振興機構)の国際ビジネス情報番組『世界は今-JETRO Global Eye』でも取上げられました。

JETRO
AR2000 電子バルブ

バルブ開閉駆動トルクを監視診断する
コズミックス

AR2000とともにスマートファクトリーの核として期待されるのが、ファインセラミックスバルブ「コズミックス」に搭載した「バルブ開閉駆動トルク監視診断システム」です。ファインセラミックスバルブは石炭火力発電所の排煙脱硫装置など、過酷な条件下で使用されるため、メンテナンスが非常に重要です。従来はベテラン技術者の経験に基づいて一定期間ごとに点検・整備を行っていましたが、技術者不足や技術伝承の難しさもあって、予防保全の立場から自己診断できるバルブシステムが強く求められるようになりました。

そこで、バルブ開閉時の駆動トルクをセンサーで監視してメンテナンスの必要性を診断し、Wi-Fi通信でタブレットやスマートフォンにデータを送信するシステムを開発。これによって、プラントの安定稼働をより効率的に実現できるようになりました。

フジキンではさらに、コネクテックジャパン株式会社と共同で圧力・温度・湿度・ガス検知といった多様なセンサーの開発に取組み、また工業無線規格への対応や既存バルブへの後付けタイプの開発も推進。将来的にはIoTにとどまらず、センシングで得た大量のデータをAI(人工知能)で診断・活用するシステムの開発も視野に入れています。

AR2000 電子バルブ

1978年、IoT概念いち早くバルブに。

医療分野など多様に広がる新たなチャレンジ!