2004年 第1回
モノづくり部品大賞「部品賞」受賞製品
日刊工業新聞社様主催の「第1回'04モノづくり部品大賞」は、61社から機械、電気・電子自動車などの部品80点の応募があり、フジキンの「UPG®(超小型メタルガスケット継手」が部品賞を受賞し、平成16年3月30日、表彰を賜りました。ご報告とともに、皆々様の温かいご支援に厚く厚く感謝申し上げます。
〈部品の概要〉
フジキン(大阪市西区)が開発したUPG®(超小型メタルガスケット継手)は、半導体製造装置のガスを供給する配管の継手として使用する。従来に比べて70%小型化し、液だまり部がないためガスによる腐食にも強い。
従来、継手のシール部構造は1カ所だったが、同製品は3段階の密封構造とした。シール性や外部に対しての強度が向上したほか施工時に接触面積が変化するため、継手の締め付け時に締め付けが確実に行われていることも判断できる。(日刊工業新聞.04.3.16より)
当UPG®(超小型メタルガスケット継手)は主に半導体製造装置のガスを供給する配管の継手として使用されます。その特徴は小型で内部にデットスペース(液溜まり部)がなく、シールの信頼性が高く更に配管施工についても信頼性の高い施工が可能となるものです。
半導体製造装置は半導体製造過程で各種のガス(腐食性ガス、毒ガス等)を使用し成膜したり、エッチングを行ったりして半導体を製造します。
そのガスを供給する設備をガス供給系と呼びますが、そのガス供給系内にはガスを流したり止めたりするバルブや流量をコントロールするマスフローコントローラ、圧力を制御するレギュレータ等がありますが、それらを配管で接続する箇所に継手が使用されます。
各部の構造と名称
UPG®(超小型メタルガスケット継手)が使用される箇所
半導体製造に使用するガスは非常に腐食性が高く、また毒性であるため漏れが発生すると甚大な被害が発生します。
また、半導体の集積度が上がるにつれ、微細なパターンで創られているため小さなゴミを嫌います。
UPG®(超小型メタルガスケット継手)はこれらの要求を充分に満たす継手となっています。
本継手はサイズがあり
従来、半導体用継手として多用されているものにメタルガスケット継手UJRがありますが、UPG®(超小型メタルガスケット継手)はシール部の構造を新設計することにより従来継手に対して格段の性能向上を計っています。従来の継手(メタルガスケット継手)のシール部構造は1箇所でシールする構造に対し、UPG®(超小型メタルガスケット継手)は3段階のステップでシールが行われる構造になっています。
この3段階のシール構造にすることにより
UPG®のシール性能のデータを下記に示します。横軸は締付トルク、縦軸にリーク量を示しています。規定締付トルク(締付を行うトルク)は110kgf·cmに対し40kgf·cmで漏れが止まっています。シール性が良くまたシールのマージンもあり漏れに対して非常に信頼性の高いものとなっています。
UPG®の施工時の締付トルクの変化を下記に示します。従来継手は締付トルク上昇に伴い締付角度もリニアに変化します。これではどこまで締付けを行ったら良いか判定しにくくなっています。
UPG®継手はシール面の接触面積が変化するため、締付トルク上昇に伴う締付角度はリニアには変化せず、締付け途中で角度が変わります。これにより施工者は締付を行っていると急に重く感じ、きちんと締付けが行われていることが判断可能になり、安全に施工が出来ます。
当UPG®(超小型メタルガスケット継手)は従来継手と同じパーツ点数で構成されるため、価格は変わりません。
一方、施工性の向上、シール性の向上により維持管理のコスト低減が可能になり総合的に経済性は改善されます。
安全性については、シールの信頼性が高く、強度的にも強いため、高圧ガスの認定継手としても使用出来ます。
環境への配慮としては、当継手は100回以上の再締め付けが可能です。
再締め付け時の廃却品はガスケットのみで、ガスケットの材質はステンレス鋼で出来ていますので廃却時等は金属屑としてリサイクル出来ます。