ジャカード織物の製造方法
少ない色数の糸で写真など繊細な階調表現を
織物に再現する方法

本技術により次の効果を実現することができる。
(1)元画像の備える階調を数十段階レベルで再現する織物を容易に作成すること。
(2)元画像を複数チャンネルに色分解してチャンネル毎に(1)の処理を行い統合することで、少ない色数の糸でカラー情報と陰影情報の両方を備えた織物を作成すること。
本技術の以上の特長より、高い解像度を持つ柄を織物として表現すること、言い換えると情報密度が高い織物を製造できる。このことから、たとえばネクタイのような小面積でも複雑な柄を表現できたり、少ない色糸でも豊かな階調や色彩表現ができるため従来方法よりも生地を薄くすることが可能となる。
文献番号 | 特許第5311092号 |
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資料請求番号 | 14020007 |
用途 | 織物全般(ネクタイ地、インテリア地、婦人服地、傘地、バッグ地など) |
技術内容 | 織物に特化した閾値サブマトリクスを用いた二値化処理によりデザインの元となる画像データに備わった微妙な陰影や色彩を生地上に表出するジャカード織物の製造方法を開発した。 通常のジャカード織物の製造工程では、デザイン画(デザインの元となる画像)のうち同等程度の濃度や色合いの領域ごとに細分化する「色まとめ」作業を行い、それぞれの領域ごとに、濃度や色合いに応じた織物組織を適用することで、陰影や色調を織物に表現する。この場合、出来上がる織物の柄が元画像の階調を再現する精度は、領域の分割数に依存するが、分割数の増加は作業の煩雑さを増加すること、また適用する織物組織の数以上に分割数を増やせないことなどの問題がある。 本発明では、色まとめ作業を行うことなく、画像の陰影を二値化した後にも織物組織としての条件を満たすようあらかじめ設計した閾値サブマトリクスを用いて組織的ディザ法により二値化して直接的に織物組織に変換することで、上記の課題を解決する。 本技術で用いる閾値サブマトリクスは、織物組織が経糸と緯糸の交差状態を白と黒の二色で示した画像であることを利用して、織物組織のパターンを元にして作成される。8枚繻子組織を元にした閾値サブマトリクスの場合では、白と黒の領域比が織物組織として許容される最大及び最小の状態を両端とする50段階の階調を再現可能となっている。なお、ここでいう織物組織として許容される条件とは、二値化した後の画像を縦及び横方向に見たとき、どの列にも白と黒の両方があること、言い換えると経糸と緯糸の交差が少なくとも1回はあることである。これが満たされないとき、糸は交差のないまま浮いた状態となり、織物を構成する要素となり得ない。本発明では、この条件を満たす織物組織の生成を可能とするものである。 |
権利者 | 山梨県 |
権利者関連リンク | 動物繊維における銀染色方法、2-メルカプトエタンスルホン酸塩水溶液を用いた銀染色の制御方法、及びこれらの方法を適用した動物繊維 マルチプレックスシャトルPCRによる食中毒原因菌の一括検出法 |
(敬称略)